少し前に以下記事を読んだ。
大分県だけども温泉がない市「豊後大野市」がサウナで町興しをしている。
テレビでも特集されたようで、今後の勢いにも期待が高まっている。
「おんせん県」なのに温泉がない市…「サウナのまち」宣言、清流・鍾乳洞が水風呂代わり : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
そこで、ふと思った。
「温泉が人気な地域はサウナが少ないのではないか」
先日、静岡に訪問した。熱海や伊東、伊豆長岡など、数多くの温泉を持つ地域だ。
偶然なのか、サウナが併設されていない施設が多い気がするのだ。
もちろん、温泉がとても気持ちよく、それで十分満足だ。
ただ、温泉とサウナに何か相関的な関係があるのではないか、事実確認を調査・検証したい。
以下を検証の前提とする
・調査は出来るだけ公的資料のデータを用いる
・地域は「都道府県」の単位とする
・ホテル・旅館業の温泉利用やサウナ使用は対象外とする
以下データをもとに現状を整理してみた。
・公衆浴場数は厚生労働省の「令和2年度衛生行政報告例」
・温泉利用の公衆浴場数は環境省の「令和2年度温泉利用状況」
・サウナ施設数は「サウナイキタイ」より ※温浴施設、銭湯 でフィルタ
サウナイキタイのデータは2022年8月1日時点のものであり、他データと時期に差異があるが、ご容赦を。
「一般浴場」はイメージする街銭湯のような立ち位置。
スーパー銭湯は「その他」に含まれる。
温泉地と聞くと、イメージする県が絞られがちだが、全ての都道府県に温泉がある事が読み取れる。
また、温泉観光地では「温泉利用の公衆浴場数」よりも「温泉利用の宿泊施設数」の方が圧倒的に多い場合もある。静岡県は温泉利用の公衆浴場550軒に対し、宿泊施設は2000軒以上である。今回は検証でのブレを防ぐため、公衆浴場のみを対象としている。
公衆浴場数に対するサウナ併設数と温泉利用数の割合を
「サウナ率」と「温泉率」として算出する。
都道府県で上位10位は赤字に、下位10位は青字の表示に。
「温泉が人気な地域はサウナが少ないのではないか」の仮説、
つまり「温泉率が高い都道府県のサウナ率は低い」かを確認しよう。
おわかりいただけただろうか。
分かりやすく、温泉率が高いトップ10に絞ってみよう
おわかりいただけただろうか。
まったく関係ないのである。
サウナ率の高い施設と低い施設が綺麗に2つずつ含まれ、むしろバランスが良い。
試しにサウナ率が高いトップ10で絞ってみた。
うーん。やはり相関関係はない。
温泉率の上位と下位が2つずつ含まれ、これまたバランスが美しい。
尚、冒頭で触れた静岡県はサウナ率8%。都道府県別で46位だ。
私の体感値は間違っていなかったようだ。ただ、全国的な相関関係はないという事。
ちなみに、割合ではなく施設数の目線でも確認したが、結果は同様。
ここまで読んでいただき、感謝しかございません。
結論、温泉の利用率とサウナに相関関係はない。
ただし、都道府県ごとの傾向は見られる。
そこに何か意味があるのか、偶然なのか、時間がある時に考察してみたい。
また、各省庁が浴場業に関するデータをあらゆる視点で公開している事も今回の検証で知り得た。また別の視点で気になる事を追求したい。
そして最後にひとつ言いたい事は、温泉もサウナも皆素晴らしいという事だ。